結婚と就職は似ている!?
一世代前は就職とは企業と結婚するようなものだった。
企業は終身雇用を前提として人物を選び、入社から定年まで1つの会社に入ることが当たり前の時代がありました。
会社は従業員を定年まで雇用することが当たり前であり、従業員のほうも新卒で入社した会社で定年を迎えることが1番の幸せであったのです。
しかし現在では終身雇用制は崩れ去り、転職をしながら自らのキャリアを形成していく働き方が主流になってきたように思います。
家族に関しても、いちど結婚したら死ぬまで添い遂げるといった夫婦の形が変化してゆくのかもしれません。
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終身雇用制度の終わり
先日、経団連の中西会長が、「終身雇用なんて守れないとみんな思ってる」と発言して話題なりました。
しかし、自分の周りを見回してみても、新卒から一つの会社で働き続けているという人はごく少数派で、殆どの人は転職を経験しています。
なので、先の発言についてもさして驚きはありませんでした。 自分の周りでは中小企業に勤める人がほとんどなので、終身雇用なんて初めから期待していないという環境だったからかもしれません。
「終身雇用など期待するな」という、今までは中小企業の論理が大企業まで及んできたという事なんだと思います。
雇用制度改革
国は衰退産業から成長産業への人材の異動を促すために、雇用を守ることよりも雇用の流動化に対して舵を切り始めています。
従業員を雇い続けるより、従業員を違う会社に就職させた企業に補助金を支払いますという制度です。
国が「終身雇用制度はもうそろそろ終わりにしませんか」と提案し始めている訳です。
結婚に例えると、「一人の伴侶と一生涯添い遂げることなんてしょせん無理があるんだから、さっさと見切りをつけて新しいパートナーをみつけて新しい生活を始めてください」と言われているようなものです。
従来の価値観からすると、随分と情の薄いせちがらい世の中になったものだと感じられる方も多いと思いますが、変化の激しい国際競争を生き抜く企業サイドから見ると、一人の人間を使い切ることのメリットよりもデメリットが上回るご時世になったんだなと思います。
結婚の場合は、離婚することのデメリット(親権問題や慰謝料など)がまだまだ大きいので、一人の伴侶と一生添い遂げるいわば「終身結婚制度」が崩れるという所まではきてないようですが、デメリットの比重が軽いカップル(子や財産が無い)では今後カップルの流動化が進展する世の中になるかもしれません。
働き方改革始まる
労働人口の減少傾向が続く日本では、労働力の確保にむけて「働き方改革」が始まりました。
この改革の骨子は「長時間労働の是正」、「正規・非正規の不合理な処遇差の解消」、「多様な働き方の実現」という3つが柱になっています。
注目すべきは「多様な働き方の実現」にむけて、政府が副業や兼業を推奨しはじめたことです。
「終身雇用は終わったし、長時間働くこともできない」ので、一つの会社だけに頼っていられる時代は終わろうとしています。「できる人はせっせと副業に励みましょう。」という事を国が勧めていることになります。
つまりは、「労働力の確保」と「長時間労働の是正」このトレードオフの問題を解決するには、一人の人間が複数の場所で労働力を発揮してもらうことが手っ取り早いということなんでしょうね。
先の就職と結婚は似ているの例でいうと国が「不倫を推奨している」ようなものです。
そうなると、次は結婚制度自体が意味を持たなくなる時代がくるかもしれません。
大自由恋愛の愛にあふれるカオスのような新しい未来の社会だといいのですが・・・。