黒歴史を葬るためのスピーチ3選 (近大卒業式スピーチ 堀江 又吉 西野)
卒業式のスピーチなど退屈なものだと思っていた。
しかし、youtubeを見ていたら、結構面白いスピーチが存在している。
近畿大学の卒業式のスピーチだ。僕が見たのはこの3本。
堀江 貴文(平成26年度)又吉 直樹(平成29年度)西野 亮廣(平成30年度)
まず、人選が素晴らしい。この人達のスピーチを聞くだけでも卒業式に参加する意義がある。
近大はここ数年、バンカラ路線からエッジのきいた大学へ様変わりしているように思える。
大学のイメージ戦略に長けた人物がマネジメントをしているのだろう。花の応援団イメージから見事に脱却を果した。
偶然かもしれないが、3人ともに過去の失敗を吹き飛ばす痛快な内容になっているので、是非過去の黒歴史やトラウマに悩まされている方には最後まで読んでもらいたい。
Contents
堀江 貴文「未来を恐れず過去に執着せず今を生きろ」
未来のことなんて誰にも分りはしない。
過去を悔やんでもいいことは何一つない。悪いことは忘れることにしている。
今に集中せよ。
何年も先を読んで生きる、時代の先端を走る事業家だと思っていたが、意外にも「長期計画なんてどうでもいい。未来を心配をする暇があったら今に集中して生きろ。」と学生達に呼びかけます。
アドラーは「人生は一本の線ではなく、無数の点の集まりなのだ」と説きました。
刹那に今を生きることが大切だということですね。
生き物はすべて一寸先は闇な訳ですから、いつ死んでもいいくらいの覚悟で今を生きることが大切なのです。
過去については、シンプルに「悪いことは忘れる」と語っています。
トラウマはやはり幻想に過ぎないのです。
又吉 直樹 「バッドエンドはない俺達は途中だ」
芥川賞作家でもある又吉は学生達に語りかける「排水溝に流れる水や深夜テレビが終わった後の砂嵐の画面をただ眺めているしかない時間がきっとある。しかしこのような時間は次に来る輝かしい時間へのフリなのだ」
喉が乾いている時ほど、ただの水が途轍も無く美味いように、輝かしい未来の前にはフリとして苦しい時期が存在する。
苦しい時期が長く苦しいほど、未来の輝きは増す。
又吉が最後に送った言葉は「バッドエンドはない俺達は途中だ」
つまりは、人生は時間が決められているわけでは無いので、諦めない限りは負けは無く自分が納得するところまで挑戦を続ける間はまだ途中なのだという認識ですね。
辛い過去は、今を美味しくするためのフリでしかないと語っています。
西野 亮廣 「人生に失敗など存在しない」
今や芸人というより「絵本作家」であり「インフルエンサー」の旗手的存在の西野は「人生に失敗など存在しない」と語りかける。
西野は過去の失敗談や当日の登場をやり直しするという失敗の様子を芸人ならではの話術で笑いに変えてみせます。
そして、過去の失敗や辛い出来事もシチュエーションを変えれば、笑いに変えることができるのだと。
「未来を変えることはできないが過去は変えることができる」つまり「人生に失敗など存在しない」と説きます。
過去の賢者も現在の賢者も言ってることは同じ「過去に囚われるな」
この3人のスピーチはそれぞれの持ち味を発揮した名スピーチですが、改めて聞き直してみると3名とも同じ趣旨のことを話されていることに気づくと思います。
過去に対するスタンスがよく似ています。そして過去に対する向き合い方がスピーチの主題になっていることも偶然では無いと感じます。
つまりは、「過去に囚われていては、成功することや幸福にはなれない」ということです。
辛い過去のことを、又吉は「幸せになる前のフリ」、西野は「過去は変えることが出来る」、ホリエモンは「執着するな」と表現しています。
同様に、アドラーは「トラウマなど存在しない」と断言しました。
仏陀は「過去の出来事は幻想である」と説いています。
ここに、人生の大原則が浮かび上がってきます。
「過去に囚われるな」