[アドラー式]クレーム対応の悩みが消えるメソッド

女子プロレスラーの木村花さんの自殺を機に、SNS上での誹謗中傷問題がクローズアップされています。

SNS上だけではなく、現実社会においてもクレーマーやモンスターペアレントなどの問題でストレスを抱えている人は多いのではないでしょうか?

今回は、そのような方のためにクレームの対処法について考えてみたいと思います。

クレーム対応の悩みが消えるメソッド

【結論】課題の分離をしてそのクレームが全体の何%に当たるのか考える

⒈対人関係の原則は「課題の分離」をすることです。

・クレーマーの課題は自分の課題ではないので、基本的には他人の課題には踏み込まないというスタンスを取ります。

・つまり文句を言う人はモノや人やサービスの何かに不満がある状態な訳ですが、その不満を解決すべきはその人自身の課題であり、自分の課題ではないと割り切ります。

・「課題の分離」を図ったのちに、そのクレームを分析します。
(前提:もし自分に落ち度がある場合は、改善の方向で動きましょう。自分に落ち度がある場合はクレームとは捉えません)

⒉次に、そのクレームが全体の何%位に当たるのかを考えましょう。

・パーセンテージが自分の許容範囲であれば無視します。

パーセンテージは自分で決めるので、結果的にほぼクレームは無視して大丈夫という結論に落ち着きます。

課題の分離とは
アドラー心理学における対人関係の基本的スタンス。「その選択によってもたらされる結果を引き受けるのは誰か?」という視点から、自分の課題と他者の課題を分離して「他者の課題には踏み込まない」という姿勢、考え方のこと。
対人関係では、「自分のことをどのように受け取るかは他者の課題であり、自分の課題ではない」と割切ることが大切。
他者の課題に介入すること、他者の課題を抱え込んでしまうことは、自らの人生を重苦しいものにしてしまう。
「ここから先は自分の課題ではない」という境界線を知り他者の課題は切り捨てる。
そのことが人生の荷物を軽くし、人生をシンプルにする第一歩である。

嫌われる勇気「課題の分離とは」

すべての人を満足させようとすると誰も満足させられないジレンマ

1980~90年代辺りまで、「ダイエー」を代表とするスーパーマーケット全盛の時代がありました。

「食料品」をはじめ「衣料品」「薬」など日用品のあらゆる物やサービスを取り揃え、消費生活の中心的存在でした。

当時は、商店街と公設市場が主役だった小売業界が巨大な大型店舗群に見事に飲み込まれてしまいました。

今の感覚でいうと「コストコ」+「ユニクロ」+「カインズホーム」+「マツキヨ」がいきなり駅前に出現したような衝撃であったように思います。

消費はもちろんですが、街を活性化させる魅力が当時のスーパーマーケットにはありました。

僕自身も、用もないのにスーパーの中を通って帰るみたいな学生生活を送っていましたね。

そんな暇人を惹きつける魅力がかってのダイエーにはあったのです。

しかし、90年代後半からダイエーの勢いに陰りが見えはじめます。

全てに人のニーズに対応してあらゆる商品を揃えるスーパーマーケットの八方美人的な商売のやり方が通用しなくなってきたのです

その当時、ダイエーは「何でもあるけど欲しいものが一つもない」売り場だと揶揄されはじめていました。

ものが不足している時代では商品が溢れているだけで、そこはパラダイスとして輝きを放つ場所でした。

しかしある程度、物が行き渡り市場が飽和し始めると、売り場に物があるだけでは当たり前の光景に過ぎません。

消費者を立ち止まらせるためには、その商品や売り場から新しいライフスタイルを感じさせる魅力が必要になったのです。

人気の「ユニクロ」や「無印良品」などの店舗からは新しいライフスタイルの提案が感じられます。

彼らにも、もちろん顧客の要望に耳を傾けるという姿勢はありますが、それ以上に自分たちの価値観やポリシーを大切にしているように感じられます。

周りのことを気にしすぎる人は魅力がなくなる

このような流れは、人間にも当てはまります。

色んな人の声や評価を気にしすぎる人は、周囲の声に過敏なあまり結果的に自分を見失いがちになり、かってのダイエーのように「何でも聞いてくれるけど、話したいことが何もない」人に陥ってしまう可能性があるのです。

他人からのクレームがどうしても気になってしょうがないという人は、「すべての人から好かれようとすると、誰からも相手にされない人に成り下がってしまうリスクがある」と開き直って考えることができると楽になります。

ただ、周りからの声を100%遮断してしまうことも、一人よがりで自分勝手な人格になってしまう危険性があります。

なので、上記の課題の分離を行った上で、そのクレームは全体の何パーセント位に当たるのかを自分なりに分析してみましょう。

その上で、自分が直せるものは直せばいいし、譲れないものは譲る必要はありません。

例えば、全体の20%の人が自分の些細な行動が気に触るのであれば、直すように努力してみるのもいいかもしれません。

しかし、自分のポリシーや根幹に関わるような問題では全体の99%の人が否定しても、自分自身を貫く方が良いこともあります。

つまり、自分を変えるかどうかは「何に対してどれくらいの人がクレームを持っているのか」を「自分自身で判断できることだ」と認識することが大切なのです。

他人の誹謗中傷やクレームによって自分をコントロールされることは、強いストレスに繋がります

同じ誹謗中傷やクレームを受けたとしても、そのことにどのように対応するかはあくまで自分自身なのだということを忘れないでください

このように考えると世の中の誹謗中傷やクレームなど、自分自身にとって「とるに足らない物がほとんどなのだ」ということに気付けると思います。

クレームは絶対に聞いてはいけない!

最後に、人気のファッションYouTuberのMBさんが同じような趣旨のことを語ってくれていますので、紹介しておきたいと思います。

世の中の、誹謗中傷やクレームに悩んでいる人には、とても気が楽になる動画だと思います。