こどもには、いつから勉強させるべき?

2020年6月14日

幼保無償化が2019年10月から開始


幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法と、低所得者世帯を対象に大学など高等教育を無償化する大学等修学支援法が10日の参院本会議でそれぞれ与党などの賛成多数で可決、成立した。幼保無償化は10月から、大学無償化は2020年4月からそれぞれ始まる。財源はいずれも10月に予定する消費税率10%への引き上げ分を充てる。

幼保無償化では法改正により、3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は住民税非課税の世帯を対象に認可保育所や認定こども園、幼稚園の利用料を無料にする。約300万人が恩恵を受ける見通しだ。認可外の保育施設も上限を設けて利用料を補助する。
2019年10月より幼児教育保育を無償化する子ども・子育て支援法改正案が成立した。

日本経済新聞 2019/5/10

就学前教育のコストパフォーマンスは最高!?

 今回のこの法改正によって、いわゆる就学前教育の充実が図られていくことを願うばかりである。

 なぜなら人の教育を生涯期間で捉えた場合、この就学前は非常に大事な期間であるということが科学的に証明されているからだ。 

 一般的に高い教育を受けた人物は、社会的により大きな価値を生み出すと言われている(わかりやすく言えば、一般的に中卒よりも大卒の方が生涯賃金が高いと言うこと)が、人が一生涯に生み出す価値をパフォーマンスと捉え、その人物が受けた教育をコストとして捉えると、「どの期間の教育が一番コストパフォーマンスが高いのか」という事が、ノーベル経済学賞を受賞したヘックマン教授らの研究によって明らかになった。

分析によると、年齢別に教育投資(経済学では人的資本投資と称する)から得られる収益率を計算すると、年齢の若い時期が最も収益率が高く、年齢を重ねることによって収益率が下降している。

つまり、 就学前教育のコストパフォーマンスが最も高いということが証明されたのだ。

実験対象となった「ペリー幼稚園プログラム」の社会収益率は7~10%といわれている。これは、4歳の時に投資した1万円が65歳の時に60倍から300倍ほどになって社会に還元されている計算になる。今回の幼保無償化の必要予算は年間で7764億円なので、これが将来230兆円になって社会に還元されるとすると非常に効率の良い投資だと言えるだろう。 

 従来、日本の景気対策といえば、公共事業等の土木建築関連がメインであったが、今後はもっと景気対策としても「教育に投資」する機会が増えることを望みたい。

参考文献 「学力」の経済学 中室牧子(Discover21)

就学前教育の先進国「スウェーデン」

就学前教育の有効性は証明されたが、本質は教育の内容そのものであることは間違いない。 

 就学前の教育コンテンツを調べていたら、スウェーデンの事例が紹介されている動画を発見したのでここに紹介しておきたい。 

 日本と スウェーデン の差はあまりにも大きいことに気づかされる。が、一歩一歩進むしかないのだろう。今まで何もしてなくてこれだけの国力を維持している訳だし、本気になって「就学前教育」に取組めばどえらい国に変貌するかもしれないのだから。