マンションは買っても大丈夫なのか?

2020年6月14日

  駅近で利便性が高いマンションは人気があります。
しかし、借りるのではなく購入するとなると「一生で最大の買い物」にもなりかねないですし、中長期的な視点を持ち冷静に将来の住処というものを考える必要があります。

 そもそも、マンションの寿命は「メンテナンス次第では100年持つ」と言われているようですが、マンションが建築され始めた時期が今から50年ほど前からなので、実際のところは良く分からないという事が正直なところのようです。

  人口の高齢化問題と同じように「マンションの高齢化」が進行してゆくことは確実な未来です。ここにきて老朽化したマンションの維持管理の問題が徐々にクローズアップされてきています。

すべてのマンションは廃墟になる

住宅ジャーナリスト 榊 淳司

  • マンションの寿命はメンテナンス次第。  
  • 定期的にメンテナンスを行うにはマンション管理組合の管理能力が重要。
  • マンションの管理組合は、所詮素人の集まりなので、利権の巣窟に陥ってしまい適正な管理能力があるところは少数。 
  • 少子化の影響で世帯数は減少傾向→空室や空き家が増える。
  • 空室や滞納者が増えると、修繕積立金等の管理費の積立金が不足する。  
  • 不足した積立金は住民同士で負担するしかないが、住民も高齢化しており負担する余裕のある人は少ない。  
  • メンテナンスが行き届かないので、建物の老朽化が進行する。  
  • 老朽化したマンションに新たな入居者は少なく。結果として空室は増加する。  
  • 上記のような負のスパイラルに陥ったマンションはやがて廃墟になる。

築古マンションは買っても大丈夫か?迷惑空き家の現状とその方策案

不動産コンサルタント 長嶋 修

  • マンションを解体するためには持ち主の100%の承諾が必要。  
  • 実際問題としては、所有者全員の承諾を得ることは不可能に近い。  
  • 解体費用(3~4000万円)は、税金で立て替えることになるが殆どが回収できていないことが現状。  
  • 空き家対策として、①散在している空き家を1っ箇所に集積させて対応する②住宅の総量規制を行う。等の施策が必要。

 このマンションが、ニュースになっている築47年の廃墟マンションを映した映像。
築47年でもメンテナンスが行われないとこのような廃墟になってしまいます。

深刻化するマンションのスラム化~空き家の増加・老朽化・高齢化 [モーニングCROSS]

 マンションを維持してゆくには、マンション管理組合等の管理能力が重要な所ですが、肝心のマンションの管理会社の杜撰な経営がこのマンションでは問題でした。
 ここでは、管理会社によるマネジメントから管理組合の自主的なマネジメントに変更して成功した例ですが、やはり数億円単位の予算を扱う組織運営を行ってゆくには、第三者の専門家によるチェツク機能が不可欠なようです。
 しかし、マンションを購入する段階でマンションの管理機能のチェックをしろと言われても、実際問題としてどの程度徹底してできるものなのかは疑問です。
 特に新築マンションの場合など、これから管理組合が組織される段階ではどの様な人物が組合理事になるのかもわからない訳ですし、管理会社も信頼できないともなれば正直、不透明感は拭えないと思います。
 今後マンションを購入を検討する際には、これらの問題点を踏まえ、いざとなれば自分が管理組合の理事になって健全なマンション経営に取組んでゆくー。これくらいの覚悟が必要なのかもしれません。