超初心者のための「最も正しい資産運用」とは

2020年6月14日

金融庁がリタイア後の生活で上で2000万円から30000万円の貯蓄が必要であるという試算を発表しました。
 この事は事体は、当たり前の真実であると思いますが、政府は選挙を前にしてその火消しに躍起になっています。
「本当だからしょうがないじゃないか」と開き直れば良いものを、これは政府の方針とは違うなどと変な言い訳をしてしまうばかりに物事は政局含みで混乱を深めています。

 しかしシンプルに考えてみると、65歳以上の夫婦が月に250,000円の生活費を使うと仮定するとするーしかし年金収入は平均200,000円しかないー「差し引き毎月50,000円が不足しますよね」という話なんです。
 これは1つのモデルケースであって当然個々にその状況は異なってきます。

 生活費が200,000円で収まり年金が200,000円入ると差し引きはゼロで理論上貯蓄は1円も必要ありません。逆に生活費が150,000円それに対して年金収入は200,000円あれば毎月50,000円の積み立て貯金ができるということにもなるのです。

 つまりは収入の額に応じて生活コストを調整することが可能であれば、問題は起こりません。

 ここで問題になるのは年金額が年々減少してしまう傾向にある事です。(無年金や国民年金だけの方の問題は別にして)なので、ある一定の生活水準を保ちたいと言うことであれば、やはり何らかの自己防衛の手段として貯金を保有すること事は必要になってくると考えられます。

 65歳以後の生活を考えていく上において大切な事は①できるだけ仕事を長く続けること②生活防衛としての貯金を行うこと、の2つが考えられます。 
 今回はこれを2つ目の貯金(金融庁発表では2000万円から3000万円が必要言われています。)我々庶民はどのように貯蓄を考えていけば良いのでしょうか。

 貯蓄と言えば最初に思い浮かぶのは銀行貯金だと思いますがリスクをゼロにしたければ、これ以外選択肢はありません。
 しかし超低金利の現在、手数料や物価の上昇などを考慮すると、実質的に銀行預金だけで、資産をは日々目減りさせるようなものでしかありません。
 そこで、ある程度のリスクをとりつつお金を増やしていきたいと考える方は多いことだと思います。
 今回はその我々庶民が取り得る対応策について考えていきたいと思います。

参考文献:臆病者のための億万長者入門(文春新書) 橘 玲 (著)

投資と投機

 老後生活を維持してゆくために、「手持ちの資金を少しでも安全に増やしてゆくこと」いわゆる資産運用について考える上で、一番最初に思い浮かぶのは「株式投資」では無いでしょうか?

 国が推奨する「iDeCo」や「NISA」といった仕組みも株式投資の一種です。
 
 しかし、一般的に行われている」「株を買って値上がりしたら売って儲ける」といったやり方は「株式投機」であり厳密にいうと「株式投資」ではありません。

 「投資」と「投機」の意味の違いを把握せずに、「株式投資」といいながら「株式投機」をされている方が多いのではないでしょうか?

 「投機」とは、「機会に乗じて、短期間で利益(利ざや)を得ようとする行為」。わかりやすく言えば、「安いときに買い、高いときに売る」取引。
 一方「投資」とは、「長期的な視野で資金をビジネス(事業)に投じる行為」で「株式」に資金を投じ、企業価値の増加を期待する行為のこと。
 
 つまり、「投機」とは短期的に売買を繰り返し利益を得ようとする行為であり「投資」とは「資本」を長期保有し「資本」が育っていくことにより最終的に自己資産を増やしてゆこうとする行為なのです。

“投資と投機を区別する基準は、どのような期間で投資リターンを考えるかがはっきり意識されているかどうかと、リターンが合理的に予測できるかどうか、の二点にある。投機家は二、三日あるいは二、三週間の間に大儲けすることを狙って株式を取得する。これに対して、投資家は、何年、あるいは何十年先まで安定的に配当をもたらし、あるいは持続的な値上がりが期待できるような株式を保有する”
(出所:『ウォール街のランダム・ウォーカー』バートン・マルキール:著、井手 正介:翻訳/日本経済新聞出版社) 

投資の一番手「投資信託」

 「ギャンブル的に利ザヤを狙う短期売買」を繰り返す「株式投機」ではなく、「資産形成を目指し長期保有」することを前提とした「株式投資」を検討する際に最も気になることは「リスク」をいかにして減らせるかでしょう。

 投資先の企業が倒産すれば株券はタダ同然になってしまう「リスク」は当然あります。「リスク」を減らす一番の方法は投資先を分散させることです。

「電気」「建築土木」「機械」「IT」などなど株式市場には様々な分野の企業が存在しています。それらの企業群が、「為替レート」や「自然環境」や「政治状況」等々ありとあらゆる要因によってお互いに影響しながら景気の波に揺られています。
 
 そんな不透明な株式市場のなかで、1社や2社に自分の財産を預けることはリスクが高いと言えるでしょう。(例えば東京電力株が震災後大暴落したように)
 2社より10社いや100社等々なるべく多くの企業に投資することが出来ればリスクは分散されそうです。
 しかし、我々のような庶民には何百もの株式を買うような余裕はありません。

 そのような場合に、投資の専門家に自分の資金を預け資金の運用を任せる=「投資信託」という便利な方法があります。

 個別の株や債券のことは実際良く分からないので、手数料を支払う代わりに「これから値上がりしそうな株や債券をセットにして売ってね」みたいなことですね。

「アクティブ派」VS「インデックス派」

 この便利な「投資信託」にも大きく分けて「インデックス運用」と「アクティブ運用」の2種類があります。
 インデックス運用とは、TOPIX(東証株価指数)などのインデックス(指標)に連動する運用方法です。
 TOPIXの場合、東証一部上場企業のすべての企業の株式を一定の割合で保有すればよく、資産を預る信託会社は機械的な運用が可能なので、手数料(信託報酬料)も安く抑えられるというメリットがあります。

 一方「アクティブ運用」とは、「インデックス運用」を上回ることを目指した運用方法です。
 インデックス運用は投資先が決まっていましたが、「アクティブ運用」は信託会社が独自調査により運用先を選択します。 信託会社にはその分、手間がかかりますので運用益がインデックス運用を上回る可能性はありますが手数料(信託報酬料)は、割高になります。

 それでは、この「アクティブ運用」と「インデックス運用」どちらを選べばいいのでしょう?

 私は、せっかく専門の資産運用会社(ファンドマネージャー)に手数料を払ってまで自分の大切な資産を預けるのだから、高い収益率が期待できる「アクティブ運用」に任したいと思いました。
 問題は①どの程度インデックス運用に比較して収益性が上回るのか?②その運用益は割高の手数料をカバーできるのか?の2点だと・・・。
 
 しかし、実際の答えは以外なことに「日本でアクティブ運用を行っている株式投信の大半はインデックス(TOPIX)を上回るリターンをあげられない」という事実でした。
 このことはアメリカでも同様で、アメリカのアクティブ投信の8割はインデックス(SP500)を超えられないと言われています。

 つまり、現実的には高い手数料を支払ったとしても、「インデックス投資」を上回るリターンをあげる「アクティブ投資」に出会える可能性は非常に低いという事だったのです。

経済的にもっとも正しい投資方法とは

 実は、この証券会社などには「不都合な真実」は、 ノーベル経済学賞を受賞したウィリアム・シャープが提唱した「CAPM=資本資産評価モデル」 によって経済学的に証明されています。

 詳しい説明は他に譲るとして結論は「世の中に効率的なポートフォリオ(投資資産の組合せ)はたったひとつしかない。それは株式市場の縮小コピーである。」というシンプルなものでした。
 株式市場の縮小コピーとは、株式市場のインデックスそのものです。

 かくして、ファイナンス理論の頂点に立つ「経済的に最も正しい投資方法」は証券会社に行って「全世界のインデックスファンドを購入する」というシンプルな結論に落ち着いたのです。 

全世界株式インデックスファンド

 楽天証券では、次のように「全世界株式インデックスファンド」の取扱いをしています。
 口座を開設し適当なインデックスファンドを100円購入すると、まるでコンビニでおにぎりを買うような手軽さで、あなたは「世界で最も正しい投資家」の仲間入りというわけです。

1万円からできる新しい資産形成のカタチ【SAMURAI】