[就活生に贈る]企業が求める人材とは?キャリアプランを考える。

2020年6月14日

 企業が求める人材とは一言で表現すると「環境の変化に対応できるスペシャリスト」です。

経営環境の変化が激しい現代社会において、必要とされるのは「頭の硬いスペシャリスト」でも「何でも屋のゼネラリスト」でもありません。

何でも屋のスペシャリスト」が求められているのです。

マーケットインとプロダクトアウト

マーケティングを勉強すると、はじめに商品作りを考える上でマーケットインとプロダクトアウトという基本的な考え方を学びます。

簡単に説明すると、市場に出す商品を考える時に、①まず商品ありきで如何にしてこの商品を売って行こうかと考えること=プロダクトアウト ②需要に合わせて商品を作って行こうと考えること=マーケットイン、と2つの大きな考え方があります。

「ジャックダニエル」や「大福」など何世紀も続いた老舗の商品ではプロダクトアウト戦略が取れます。その商品力に絶対的な自信と実績があるからです。

しかし、そのような絶対的な商品を持たないその他大勢はマーケットイン戦略を採用せざるを得ません。常に市場の動向に敏感であり、需要動向に合わせて自社の商品やサービスを創造して行くことが唯一のサバイバル戦略なのです。

自分自身をプロデュースする感覚

そこで、自分自身を商品と考えた時にはどの戦略を取るべきなのだろうかと考えてみることがあります。

「野ぶたをプロデュース」というテレビドラマがありましたが「自分自身をプロデュース」を考えることはとても大切です。

学生時代の事を思い返してみると、大学までは学校でいろんな分野の勉強を強いられます。国語、数学、理科、社会、保健体育、図画工作といった様々な分野の課題をクリアーすることが良しとされています。

これは、見方を変えれば、如何にして様々な環境に適応して行けるかーつまりはマーケットイン戦略を攻略して行けるかを偏差値で測られているようなものと捉えることができるでしょう。

大学生になると、ある程度の自主性を持ち自らの課題をこなして行ける期間のはずなのですが、今の大学は就職予備校の要素が強いので、それこそ3回生にでもなれば会社の求める人物像に如何に近づけるかに躍起になります。

そう、就職活動に入る訳です。

就活はそれこそマーケットイン戦略の最前線です。

各学生は就活というマーケット調査を駆使して自分を会社に売り込みに行かねばなりません。

企業が好む、髪型、服装、声のトーン、笑顔、に身を包み就職試験に挑むことになります。

理系の学生が就職に有利な理由

ここで専門性の高いスキルを持ち合わせている人は、プロダクトアウト戦略を取ることもできます。つまり、自分の専門性をアピールする戦略を取ることができます。

大雑把に言えば、理系のスペシャリストか会計士等の公的資格の保有者などが相当すると言えるでしょう。

専門性を持たない文系の学生は、自分をアピールする専門性が薄いので、どうしてもマーケットイン戦略に頼らざるを得ません。

理系の大学生が就職に有利と言われる所以は、大雑把に言えばこのような戦略の違いなのです

社会人になってもこの傾向は続きます。

スペシャリストは自分を売り込んでゆくプロダクトアウト戦略を取れますが、専門性を持たないゼネラリスト達はマーケットイン戦略を軸にサバイバルして行くことになります。

ゼネラリスト社会の限界

グローバルな視点からみると、日本はゼネラリスト社会だと言われています。

長期に渡り高度成長期を支えた「終身雇用制度」の元で一つの会社の中で様々な職種を経験させられる(ジョブローテーション)仕事のスタイルが主流だったので、スペシャリストが育ちにくい土壌にあったのです。

海外では職業を尋ねられると「プログラマー」「会計」「デザイナー」など職種で答えるが、日本では「トヨタ」「パナソニック」など所属する会社名で答えることが多いのもそのせいだと言われています。

日本企業が国際的な競争力を失っていった背景には、ゼネラリスト文化の会社では革新的なイノベーションが育ちにくいということが挙げられます。

環境の変化に対応する術に長けているゼネラリストですが、残念ながらゼロから1を生み出すことは苦手です。

学生時代からプロダクトアウト戦略を持ったことがない多くのゼネラリスト達は自ら主体的に物事を捉えて行くクリエイティブな感覚を持たないまま社会に流れてきているのです。

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マーケットイン戦略を取れるスペシャリストが社会を変える

今、ゼロから1を生み出せる創造的な仕事をできる人は、マーケットイン戦略を取れるスペシャリストでしょう。

これから日本経済が再浮上するためには、スペシャリティを持ち合わせた者たちが主体的に環境の変化に対応し、革新性の高いサービスや商品が創造されてゆくことに賭けるしかありません。

つまり、高い専門性を持ちかつ需要の変化に対応する柔軟な思考ができる人材が求められているということです。

就職活動においては、この事を頭に入れてアピールできれば大外れすることはないはずです。

健闘を祈ります。

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